世界中で注目されているポータブル電源。
なかでも人気のジャクリ(Jackery)から2023年6月、リン酸鉄リチウムイオン電池採用のポータブル電源が発売され今もなお人気の商品が多数販売されています。
ジャクリのリン酸鉄採用のポータブル電源がおすすめな理由やリン酸鉄リチウムイオンのメリット・デメリットをご紹介します。
リン酸鉄リチウムイオン電池採用のポータブル電源ってどういうもの?
リン酸鉄リチウムイオン電池採用のポータブル電源が注目されていますが、そもそもどういうものなのでしょうか。
ポータブル電源の本体に内蔵されているバッテリーは「リチウムイオン電池」です。
リン酸鉄リチウムイオン電池は、電池の正極(プラス極)に「リン酸鉄リチウム」を使った電池です。
ちなみにリン酸鉄リチウムイオン電池は、『リン・酸素・鉄』から作られています。
それまでは、エネルギー密度が高く出力が安定している三元系リチウムイオン電池を使用していましたが、近年ではリン酸鉄リチウムイオン電池の安全性や長寿命に注目され採用されるポータブル電源が増えてきました。
リン酸鉄と三元系のポータブル電源の違い
リン酸鉄 | 三元系 | |
熱分解の温度 | 700℃ | 200℃ |
最低放電温度 | -20℃ | -40℃ |
サイクル数 | 2000~4000回 | 500~2000回 |
同じ容量での体積 | 大きい | 小さい |
同じ容量での重量 | 重い | 軽い |
1ヶ月間の自己放電 | 約1%未満 | 約4~5% |
リン酸鉄リチウムイオン電池を使用したポータブル電源が増えてきていますが、その理由はなぜなのでしょうか。
まずはメリットを見ていきましょう。
リン酸鉄リチウムイオン電池のメリットとは
リン酸鉄リチウムイオン電池のメリットはこちらです。
- 安全性が高い
- 長寿命
- 自己放電も起こりにくい
- 耐久温度が幅広い
リン酸鉄リチウムイオン電池は安全性が高い
ポータブル電源を使用する際に気をつけなければならないことがあります。
それは「火災」です。
実は、近年不慮の事故が増えてきていることはご存じでしたか?
関連記事:ポータブル電源を買ってはいけない理由とは後悔しないために【これだけは気を付けて】
ただ、そのほとんどが「三元系リチウムイオンバッテリー」です。
三元系の場合は、何らかの理由で熱暴走が起きると発煙、発火、有毒ガスが発生するリスクがあります。
しかし、リン酸鉄系の場合は過充電や過放電、高温環境などに対する耐性が高く、約700℃まで熱分解を起こさない為火災が極めて起こりにくいです。
このことから、リン酸鉄系の方が安全性が高いことが分かりますね。
リン酸鉄リチウムイオン電池は長寿命
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーの性質上、三元系よりもサイクル数が多いのが特徴です。
ポータブル電源の寿命はサイクル数で表します。
ポイント
0%から100%まで充電することで1サイクルと数え、このサイクル数が多い方が長寿命であるといえます。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリー採用のポータブル電源のサイクル数は2,000〜4,000回くらいとなっています。
三元系が500〜2000回なので、2〜4倍もの差があります。
関連記事:ジャクリのポータブル電源の寿命はどれくらい?伸ばすコツや使わない期間のポイント
自己放電が起こりにくい
バッテリーは、自己放電(蓄えられていた電気の量が時間が経過すると共に少しずつ減少していく現象)が起こります。
例えば、自動車などにも搭載される「鉛(なまり)のバッテリー」の場合、1カ月放置することで約20%の電力が減ります。
しかし、リン酸鉄系リチウムイオンの場合は「1カ月でたった1%しか自己放電」しないため、防災用(災害用)に長期保管する場合でも電池の残量を心配することがありません。
その点も安心して保管できますね!
※長期保管の際も念のため半年に一回は充電状態を確認しておきましょう。
耐久温度が幅広い
リン酸鉄リチウムイオン電池は耐久温度が幅広いことも特徴です。
従来の三元系は低温は-10℃ほどまでが限界でした。しかしリン酸鉄リチウムイオンバッテリーは、-20℃の低温環境でも保存できるものもあります。
寒冷地でも今まで以上に活躍できるのが特徴ですね!
ただし、ものによって適正動作温度も変わってきます。
同じ商品でも、動作温度と充電温度が違う場合もあるので、その商品の適正温度をよく確認しておきましょう。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーのデメリットとは
メリットもあればデメリットもあります。
この2点には注意しましょう。
リン酸鉄リチウムイオン電池はコストが高い
リン酸鉄系の原材料費)(リチウム、鉄、リン)はそこまで高くありませんが、リチウムイオンバッテリーに加工する際にコストがかかるのがデメリットです。
三元系よりも、お値段が少し高めなのがこの理由です。
容量やメーカーによっても変わってきますが、時々開催されるセールなどを上手く活用してなるべくコストを抑える工夫をしていきましょう。
リン酸鉄リチウムイオン電池は製品サイズが大きめ
三元系のポータブル電源よりも、リン酸鉄系のポータブル電源は製品サイズが大きくなる傾向にあります。
なぜなら、タップ密度や圧縮密度が低いなどの性能上の欠陥があり、リチウムイオン電池のエネルギー密度が低くなるためどうしても大きくなってしまいます。
関連記事:BLUETTIとjackeryを比較!どこが違うの?便利な点や使った感想をわかりやすく解説
コンパクトさをお求めの方にはデメリットですね。
ただ、最新の技術により大きさを抑えられるようになってきているのでそこまで大差がないかもしれません。
大きさ重視の方は必ずサイズを確認するようにしましょう。
ジャクリのリン酸鉄採用のポータブル電源がおすすめ!そのわけワケとは
出典:Jackery公式サイト
リン酸鉄リチウムイオン電池採用のポータブル電源が増えてきていますが、ジャクリのリン酸鉄採用のポータブル電源は特におすすめです。
ジャクリは従来の『三元系』を使用しているものと『リン酸鉄リチウムイオン電池』を採用しているものがあります。
その違いとして、Plusシリーズとオンライン限定の240Newがリン酸鉄リチウムイオン電池対応となっています。
ジャクリのリン酸鉄リチウムイオン電池採用のポータブル電源はどういった特徴があるのか見ていきましょう。
ジャクリのポータブル電源は寿命が特に長い
リン酸鉄リチウムイオン電池の特徴として、寿命が長いということが挙げられます。
Jackeryリン酸鉄採用
- 2000Plusのサイクル数約4000回
- 1000Plusのサイクル数約4000回
- 600Plusのサイクル数約4000回
- 300Plusのサイクル数約3000回
- 100Plusのサイクル数約2000回
- 240Newのサイクル数約4000回
リン酸鉄リチウムイオン電池のサイクル数は平均2000回〜4000回ですので、ジャクリのポータブル電源は寿命が長いといえます。
毎日使用しても10年以上使えるので頻繁に使用する方にもおすすめです。
容量が大きくても充電時間が短い
ジャクリのPlusシリーズの特徴として、充電時間が短いことが挙げられます。
Jackery独自のChargeShield技術を採用したことで最大2時間で充電完了となっています。
一般的なポータブル電源の充電は半日以上かかりますので、いかに早いかが分かりますよね。
早く使用したい時や家にいる時間帯でできるので、安心して充電ができることがポイントです。
また、「緊急充電モード」がついているものもあり、緊急時では最速1時間で充電完了ができるのでいざという時にも大変便利です。
Jackery専用アプリで状態を管理できる
「BLUETTI JAPAN」や「EcoFlow(エコフロー)」にも搭載されている機能ですが、専用アプリで管理ができるようになりました。
遠隔でコントロールできるので、いつでも状態を確かめられるのはとても便利ですね。
ただ管理できるだけではなく、ニーズに合わせてバッテリーモードが選択できるので、さらにバッテリー寿命を延ばすことができますよ。
ジャクリのポータブル電源は保証期間が長い
ジャクリのポータブル電源は保証期間が長いことが挙げられます。
特にPlusシリーズは5年間の保証がついています。
この期間中に不具合が起きたり初期不良などが発生した場合、カスタマーセンターに問い合わせれば無償で修理や交換が可能となります。
注意
ただし、公式サイトや公式代理店での購入が条件となりますので、それ以外で購入されても保証の対象とはならないので注意が必要です。
もちろん、メルカリ等での中古で購入した場合も対象外です。
寿命 | フル充電時間 | 保証期間 | |
2000Plus | 約4000回 | 約2時間 | 5年間 |
1000Plus | 約4000回 | 約1.7時間 | 5年間 |
600Plus | 約4000回 | 約1.7時間 | 5年間 |
300Plus | 約3000回 | 約2時間 | 5年間 |
240New | 約4000回 | 約1.9時間 | 5年間 |
100Plus | 約2000回 | 約1.8時間 | 2年間 |
1000Plusと2000Plusは容量が増やせる
1000Plusと2000Plusには専用の拡張バッテリーがあります。
これを使うことで容量を増やすことが出来ますよ。
1000Plusの場合、容量を1264Whから2528Whへと拡張することができ最大3台まで繋ぐことができます。
2000Plusの場合は容量を2042Whから4084Whへと拡張することができます。
ソーラーパネルで現地での充電確保に!
出典:Jackery公式サイト
ポータブル電源に充電したい場合、ソーラーパネルを使用して自然エネルギーの太陽光を利用すれば環境にもやさしく、節電にもなります。
特に何日間か連続して屋外でポータブル電源を使用する場合、ポータブル電源の容量を現地で確保できることが最大のポイントです。
特にジャクリでは専用のソーラーパネルがあり、折りたたみで持ち運びやすいのでどこでも自由に太陽光発電ができます。
家庭用の電気を使用する際にもソーラーパネルを使用すれば節電にも繋がります。
ポイント
ジャクリのソーラーパネルは一般社団法人防災安全協会の認定により「防災推奨」マークを取得しているので安全に使用することが出来ますよ。
後からソーラーパネルだけ購入もできますが、ポータブル電源とセットでも販売されているので要チェックです。
ジャクリのリン酸鉄採用ポータブル電源おすすめ!容量別にご紹介
ジャクリのリン酸鉄リチウムイオン電池採用のポータブル電源を容量別に詳しくお伝えしていきます。
ジャクリ2000Plus
Jackery ポータブル電源 2000 Plusは、2042Whの大容量となっています。
また、ポート数も多く合計10ポート(AC5口、USB4口、シガーソケット1口)あるので同時に様々な電化製品を使用することが出来ます。
定格出力3000W(瞬間最大6000W)ですので、電気ポットや電子レンジなどワット数が大きいものでも対応できるのでほぼどのような家電製品でも対応できることが大きな特徴です。
また、重量27.9kgとかなり重いのですが伸縮するハンドルやキャスター付きですので、移動は簡単にできますよ。
専用のソーラーパネルを使用すれば、場所を問わず太陽光を使った充電が可能となります。
ジャクリ1000Plus
Jackery ポータブル電源 1000Plusは、1264Whの大容量となっています。
定格出力が2000W(瞬間最大4000W)のため、ほぼ全ての家電製品を動かすことができます。
電気自動車でも採用されている最新のテクノロジーにより、45℃の高温環境でも効率的に安心して使用することが出来ますよ。
専用のソーラーパネルを使用すれば連泊のキャンプでも安心して使用できます。
ポータブル電源があればファミリーでも年中キャンプを楽しむことができるのでアウトドアがお好きな方にもおすすめです。
ジャクリ600Plus
Jackery ポータブル電源 600Plusは、632Whの容量となっています。
定格出力は600Wであり、中容量モデルとなっています。
7.3㎏ですので、持ち運び重視の方や電気毛布などの家電製品も使用できるので、一泊のキャンプに使用したい方におすすめです。
UPS機能(無停電電源機能)が備わっており、(停電をはじめとした電源障害が発生した場合、PCなどに電力を供給することで、業務を継続したり、あるいは安全にシャットダウンするための時間を稼いでくれる機能のこと)停電時にも安心です。
ジャクリ300Plus
Jackery ポータブル電源 300Plusは、288Whの容量となっています。
定格出力は300W(瞬間最大600W)であり、リュックに入るコンパクト設計なのでどこでも手軽に持ち運べるのがポイントです。
重量も3.75㎏ですので女性でも楽々もてますね。
出先でノートパソコンを使用したり、スマホやゲームなどの充電、アプリで遠隔操作もできるので大変便利ですよ。
コンパクトながらも、AC1口、USB3口、シガーソケット1口と様々なポートに対応できます。
場所を取らないので、車中泊にもおすすめです。
ジャクリ240New
Jackery ポータブル電源 240 Newは256Whの容量となっています。
定格出力300Wであり、世界で売れたベストセラーの従来モデル(241.9Wh、定格出力200W)から大幅にパワーアップしています。
USB-Cも追加されているので、スマホの充電とノートパソコンの同時充電も可能となりました。
ソーラーパネル40 Miniと組み合わせもできるので、太陽光を活かした充電もできます。
サイクル数も4000回ですので長く使用できるのも特徴です。
コンパクトながらも、ライトや扇風機などキャンプや車中泊に必要な電化製品の充電ができるので、快適にアウトドアを楽しむことができます。
こちらのモデルは、オンラインストア限定となっています。
ジャクリExplorer 100 Plus
ackery Explorer 100 Plusは、99.2Whの容量となっており、手のひらサイズの最小サイズとなっています。
最大128Wの出力が可能となっており、USB-Cを2口、USB-Aを1口備えているため、複数のデバイスを同時に充電することができますよ。
容量が99Whなので飛行機にも持っていけるのでアウトドアだけではなく、ビジネスとしても活躍できます。
容量も965gと1キロもないのでお子さんでも簡単に持ち運びできます。
2000Plus | 1000Plus | 600Plus | |
容量 | 2042Wh | 1264Wh | 632Wh |
定格出力 | 3000W | 2000W | 800W |
大きさ | 約473×359×373 mm | 約356 x 260 x 283 mm | 約300 x 219 x 197 mm |
重量 | 約27.9㎏ | 約14.5㎏ | 約7.3㎏ |
ポート数 | 10ポート | 8ポート | 6ポート |
300Plus | 240New | 100Plus | |
容量 | 288Wh | 256Wh | 99.2Wh |
定格出力 | 300W | 300W | 100W |
大きさ | 約230 x 155 x 167mm | 約23.1 x 15.3 x 16.8 cm | 12.6 x 8.65 x 8.7 cm |
重量 | 約3.75㎏ | 約3.6㎏ | 965g |
ポート数 | 5ポート | 5ポート | 3ポート |
まとめ
レビューも高評価のジャクリのリン酸鉄リチウムイオン電池採用のポータブル電源はおすすめです。
- ・ジャクリのポータブル電源は寿命が特に長い
- 容量が大きくても充電時間が短い
- Jackery専用アプリで状態を管理できる
- ジャクリのポータブル電源は保証期間が長い
- 000Plusと2000Plusは容量が増やせる
リン酸鉄リチウムイオン電池採用のポータブル電源を活用し、より便利に安心なライフ生活を送りましょう。